『アンダーグラウンド』初演を振り返りながら

次回作『アンダーグラウンド』の稽古が始まりました。2006年に下北沢スズナリで上演した作品の再演です。ただ、稽古は始まったばかりですが、どうやら大枠は残しつつもまったく新しい作品になる、そんな予感がします。

こちら、前回の映像の一部です。

今回も、マメ山田さんはもちろん、常連さん初めての方含め魅力的な役者さんたちが出演してくださいます。もちろん、「外科手術」と「生バンド演奏」という重要な要素も初演と同様に変わっていません。が、スズナリからトラムへと空間が大きく変わり、前回からいくつか大胆な飛躍が見られそうです。

そういえば、前作のインタビューで、タニノはレーモン・ルーセルの『アフリカの印象』をモチーフにしていると語っていました。
http://www.land-navi.com/backstage/report/penino-ug/index.htm
ためしに引用してみると・・・

――レーモン・ルーセルの『アフリカの印象』をモチーフにした作品という構想は前回にもお聞きしましたが、今作『アンダーグラウンド』(以下、UG)はどのような舞台になるのでしょうか?

 舞台は手術室です。実際にある場所で、誰でも知っているけど、多くの人が手術をされる側で、ほとんど麻酔で寝ている場所。つまり、知っているようで、実はよく知らない。そういう特殊な場所が舞台です。それをいじって作品にしようと思っています。

――なぜ、手術室なのでしょう?

 「知っているようで、よく知らない」という意味で、現代において唯一残された聖域のような幻想性が保たれている、貴重な場所だと思ったからです。テレビの報道番組やドラマなどでよく映されていますが、「こんな器具が使われているのかなあ」とか、想像のできるぎりぎりの場所だと思います。

これを今見ると、不思議な感じがします。というのも、今作ではたしかに「アフリカの印象的想像力のベクトル」をフレームワークとして参照しつつ、それでいて今作でやろうとしていることの質に関しては正反対であるようにも、いやもしかしたら一度ひっくり返って全く同じであるようにも思えるからです。と今こんなこと言っても、何のことだかさっぱりわからないかもしれません。




マメさんも

うたた寝をしてしまいました。

ともあれ、4年の時を経て、様々に大胆でアグレッシブな“手術”が加えられた新しい『アンダーグラウンド』、初日まであと一月。どうぞお楽しみに!

(吉)