こんな創作のあり方ってどうよ。/「演劇論的作品」としての『エクスターズ』

さてさて次回作『エクスターズ』まであとわずか。稽古は順調そのもの、直前ですが、いつも通り淡々と進んでいます。



今回の作品、タニノらが2ヶ月以上山ごもりをしながらつくった作品です。で、たった2日しか公演しません。たったの2回。


「エクスターズ(恍惚)」というタイトルには、そういうクリエイションのあり方も意図しています。今、このタイミングで、恍惚に浸りながらひたすら作品作りに臨む、ということ。


こういう意味で、今回の『エクスターズ』って非常に「演劇論的作品」なのではないか、と思います。


「演劇論的作品」っていっても、「演劇かくあるべし」と息巻いたものではもちろんないです。
今回の震災に限らず、特に9.11以降そうであるように思いますが、芸術にやたらリアクションが求められるような雰囲気のなかで、「こういうクリエイションのあり方もあるんじゃないの」ということを示唆する。
そういう製作のスタンスを示すという点で、「演劇論的作品」であるように思うのです。


以前、「演劇論って何でしょう」っていう記事を書いたことがあります(http://d.hatena.ne.jp/peningophilia/20101122/1290432788)。要は、文学的なあれやこれやより、「演劇論」では製作のスタンスを知りたいなー、というような内容です。*1


演劇って「作品の中身について共有できる人数が、どうしたって限られてしまう」という難点があるから、製作のスタンスまで含めてお客さんとシェアできたらいいなー、なんて思うわけです。「製作のスタンス」ならより広い人の関心事になるでしょうし。


さて、それはそうと、作品の中身はどうなのよー、ということですが。
言うなれば、6人の「シニア女優」と3人の「若手男優」が織りなす、うー、なんというか、毎度のことながら非常に一口では語りにくいのですが、くだらなくも愛らしく、馬鹿馬鹿しくも切ない、音楽劇(?)という感じですが何か。
まあ、とにもかくにも、製作のスタンスがどうだとか考えなくてもウッハハヤッホーとなるような、東京のお客さんなら静岡まで遠出して見た甲斐のあるものになるよう創っていますんで、きっと上演時間の80分間が楽しい時間になると思いますぜ! 


そういうわけで夜露死苦



(雨に塗れ闇夜に輝く筋肉質の野外舞台)



ご参考)「はじめての静岡」情報


私も実は今回の作品で初めて静岡に行ったんですが・・・、東京からなら新幹線やバスで行けます。バスは往復で4500円。けっこう近いです。


無料バスの増発も決まりました。これかなりお得でっせ。http://spac.or.jp/news/?p=3214


泊まっていくのもよし、といことで、1泊される方には「静岡ホテル時之栖(http://www.tokinosumika.com/stokinosumika/)」というホテルが静岡駅近くにあります。あと、「ビジネスホテル駿府http://www.hotelsunp.com/)」というホテルが安いです。


さらに安くいくなら、「アプレシオhttp://www.aprecio.co.jp/shizuoka/tabid/307/Default.aspx)」というマンガ喫茶東静岡駅のすぐそばにあります。


あとは、「時之栖」系列の「駿府温泉天神の湯(http://www.tokinosumika.com/tenjin/)」という23時間営業の温泉施設もありますぜ! 


というわけで、押忍! 静岡で待ってるぜよ! 夜露死苦


(吉)

*1:今読むと、うっかり平田オリザさんの『現代口語演劇のために』『都市に祝祭はいらない』のことを忘れてました・・・。いま手元にないのですが、この本、「シーンを64個に区切って相当機械的に作ってるよー」とか平然と言い切ったりするすごく刺激的な内容で、製作のスタンスがはっきりと書かれていて面白かったです(そういえば平田オリザさんと同世代で、今回ペニノを呼んでくれた静岡芸術劇場の芸術総監督の宮城聰さんは「都市には祝祭が必要だ」と語っていて、この正反対っぷりが面白いなと思っておりました、ハイ)。