どんなオマージュを捧げよう? 『タニノとドワーフ達によるカントールに捧げるオマージュ』はじまります。

8月の『地獄谷温泉 無明ノ宿』から早3ヶ月。
ただいま稽古の真っ最中でございます。





それがこちら。

タニノとドワーフ達によるカントールに捧げるオマージュ
http://www.geigeki.jp/performance/theater104/104-3/




ポーランドの演出家・美術家タデウシュ・カントールの生誕100年を記念して行われる「カントールと演劇の二十世紀」の中のひとつで、タイトルにあるとおり、そのカントールへのオマージュ作品をつくっています。
すてきなドワーフ達と。


ところでオマージュを捧げる相手のカントールって?

ポーランドの演出家で二十世紀を代表する人で世界的に影響を与えていて今年生誕100年で他の場所でもオマージュがガンガン捧げられていて・・・とカタカタ検索して知ったことよりも、まず映像を見てもらったほうが早いですね。
10月に作品の上映会を見てきたのですが、とにかくまあ面白い! 言葉がぜんぜんわからなくても、古い上映記録であっても見入ってしまうのです。
今もYouTubeでいくつか見られます。


代表作とも言える『死の教室』。



個人的にめっちゃ好きな『ヴィエロポーレ!ヴィエロポーレ!』


役者の顔も素敵ですよね。双子のおじさん俳優とか、うわーすごい人たちと巡り合ったんだなあ、とその奇跡な感じにじーんと来てしまいます。







さて。

こんなカントールにどんなオマージュを捧げるのか。

稽古を見ている感じ、ポイントは4つぐらいありそうです。

1. オブジェが出てくること。

カントールが美術作家であることもあって、カントールの舞台にはいくつものオブジェが登場します。タニノによるオマージュにも、小竹信節さん作のオブジェ他、いくつかのオブジェが登場します。

2. 観客と舞台の関係に意識的であること。

カントールの舞台では客席と舞台のちょうど間ぐらいの位置にいつもカントール自身がいて、劇中に俳優に指示を出したりするのですが、観客の現実と媒介になるカントール自身と舞台の幻想と、という関係がカントールの作品にはハッキリとあります。タニノによるオマージュも、その点をすごく意識したものになっています。

3. エンターテイメント性がしっかりあること。

カントールの舞台、映像で見てもらえるとわかるのですが、笑ってしまう場面が多いのです。もう素直におもしろい。タニノが朝日新聞のインタビューのなかでも語っていますが、今作でも、このエンターテイメント性が随所に、というか、マメ山田さんはじめとするドワーフたちの力と相まって、フルスロットルに炸裂するのではないでしょうか笑。

4. 死に向き合うこと。

死の演劇宣言。死の教室。カントールの作品は、常に死のイメージに彩られています。そこをどう受け止めるか。二十世紀のポーランドと二十一世紀の日本という距離をどう意識して、死に向き合うのか。それは見てのお楽しみということで!





というわけでこんなオブジェたちと稽古は進行中です。

日々アレンジが加わったりモノが増えたりしているので、最終的にどんなふうになるのかはアレですが。










12月17日からクリスマスの24日まで、池袋の東京芸術劇場にて。ワークインプログレスと銘打った小作品ですが、ちょっと他では体験できないものになりそうです。
ご来場心よりお待ちしています!
(吉)