稽古二日目(『前と後』)
さて、二日目にして、ほぼ全体の演出プランが固まり
稽古の方もサクサク進みます。
リーディング公演は、演出家によって特性がかなり異なりますが
タニノも徐々にそれを見出しつつあるようです。
それにしても、この『前と後』という脚本の魅力といいますか、
安易な方法を許さない独創性の高さは
もの凄いものがあります。
原作者のシンメルプフェニヒにとっては、
この作品が出世作ということらしいのですが、
個人的には今の日本で、ここまで独創的な演劇作品が
評価されるというのはあまり想像し難いですね^^。
映画でいうなら、デヴィッド・リンチ監督の
『マルホランド・ドライブ』から、
ミステリーの要素をはぎっとった感じというか、、
似た形式としては、
ロバート・アルトマン監督の『ショート・カッツ』的な
手法というか、、まあ、そんな感じです。
所謂、換骨奪胎された物語のコラージュを数列的に並べ直した
という事柄以上に、
うっすらと作者の人物像が浮かび上がるのは
かなり巧妙なトリックを使っているのだと思われます。
ただ、それが何かは分かりませんが、、。
そして、稽古は残り3日、、
もはや役者さんにとっては、リーディング公演というより
普通の公演に近い労力を費やしているものと思われますが、
最後までタニノにお付き合いください。
ではまた(続く)。