大晦日にやってくる幽霊

あっというまの大晦日。『アンダーグラウンド』@シアタートラムに、『苛々する大人の絵本』@スイス&オランダ、とおかげさまで充実した1年でした。
さて、今年は演劇界にはどんなことがあったっけなんて思い起こすと、もちろん個人的なものですが、『わが星』の岸田賞受賞や、チェルフィッチュポツドール、ファイファイの海外での活躍、中野茂樹さんが『かもめ』を大胆に演出したことや、久々にロベール・ルパージュがやって来たこと、それからもっと個人的なことで言えば、テネシー・ウィリアムズOutcryの邦訳が出ていたこと、などなど、いろいろとあったなあ、としみじみします。

さけび

さけび

でも、やっぱり一番は「行けなかったいい上演がたくさんあること」、でしょうか。はい、今年も行けなかった。あれもこれも、てんで行けなかった。行けなかったよーー! って見晴らしのいい丘から叫びたい。なにか幽霊のように、行けなかった公演の数々がどわーっとこの大晦日に頭の中に浮かび上がります。この幽霊を操って残業モンスターを銃で撃ちまくるゲームをやりたいです。
だから、来年のことをぱっと考えてたったひとつ思い浮かぶのは、2011年は20時開演の公演が増えるといいなー、ということ。そしたらいけるなー、増えるといいなー、いいなー、なー・・・、と遠い目をしたくなるのですが、でもホント、20時開演の公演が増えるだけで「行けなかったいい上演」のいくつかに行けるんじゃないか、そしたら少しはあの幽霊たちが浮かばれる、ひいてはいろんな公演に新しい観客がやってくるんじゃないか、なんて思うのでした。
とまれ、皆様、どうぞ良いお年を。来年もペニノはいろいろとあります。どうぞよろしくお願いします!
(吉)