よく考えるとスーパーマリオの「1UPシステム」が超ヤバい件。

■ヤツは人気者。

スーパーマリオというゲームがあります。超有名な横スクロールのアレです。ダッシュして、ぴょんぴょん飛んで、土管に入り込んで、海を泳いで、火の玉をよけて、亀の化け物からお騒がせプリンセスを助け出す。そんなスーパーな配管工が主人公のゲームです。


このマリオ、すごい人気者で、たくさんの人が愛情たっぷりのコンテンツをいくつもつくっています。


演劇仕立てにしてみたり。


バスのなかでやってみたり。


激ムズいぢわるゲームに改造したり。


全自動音楽ゲームに改造したり。


HTML5で無限生成されるゲームにしてみたり。


最近では、ついに紙でプレイするゲームになったり。

(実際に動く「紙箱版スーパーマリオ」)


こんなふうにこのマリオ、とっても人気者なんですが、彼のことをぼんやりと考えていてふと思ったことがありました。
それは、「1UP」というシステムについてです。


コインを100枚ためるか、1UPキノコをとるか、もしくは10000ポイント稼ぐか。そうすると1UPして、マリオの「残数」が増える、という例のシステムです。


ん、あ、ああれ? となったわけです。
やだこれ一体どんなシステムなの、という話です。
えよく考えると、わかんないとこだらけだぞこれ。
というわけでちょっと考えてみました。


■「残数」ってなんだろう。

そもそも「残数」が増える、というのが不思議です。もしかしたら、マリオは「量産型ザク」のように、無数に存在しているロボットなのかもしれません。
ちょうど生産コストとしてコイン100枚分かかる、と。で、1UPキノコはその希少性からコイン100枚分に相当し、10000ポイントというのはちょうどパチンコの換金システムのようにコイン100枚分に相当する。そういうことかもしれません。


ただ、そう考えるとちょっとガテンがいかない部分があります。というのも、マリオが「量産型ザク」なのだとしたら、死ぬたんびに1面から始まらないと変だからです。
「量産型マリオ」、見た目は同じだけどひとつひとつ完全別もの、という発想だと、前のマリオが進めた地点から始められちゃう、というのがどうもおかしい。前の「量産型マリオ」が死んだら、次の「量産型マリオ」は「マリオいきます!」と言わんばかりの勢いで基地から出動する。そう考えたほうが自然です。


もっとも、「量産型マリオ兵団」として旅をしていて、前のヤツが死んだら、次のヤツが火縄銃の兵隊みたいにすぐさま出動する準備が整っている、とかなんとか強引に考えることもできるけどー、いややっぱりムリがありますかね。


スーパーマリオパラレルワールド

で、むしろこういうことなんじゃないかと思うんです。


このマリオの世界では、どうやら保険としてパラレルワールドをコインで買うことができる。
そんなシステムができあがっている世界なんだ、と。


だから、Aの世界のマリオが死んでも、Bの世界のマリオ(=Aの世界のマリオが死ぬ直前まで同じ道をたどってきたマリオ)が途中の地点から始めることができる。
そんなふうに「残数」というのは、「パラレルワールドの数」を表しているんじゃないでしょか。残り「×99」だったら、「99のパラレルワールドを確保した状態」にある、というわけです。


というか、これはヤバい! いやヤバいです。


なぜって、そんなシステムができあがっていたら、クッパたちに到底勝ち目はないからです。パラレルワールドを確保している限り、失敗のリスクを限りなくゼロに抑えられる。唯一のゲームオーバーは、パラレルワールドの数がなくなってしまったとき。でも、コインがあればパラレルワールドは無数に増やすことができちゃいます。


クッパの前には無数のマリオがたちはだかります。
が、パラレルワールドにおける出来事だから、クッパからしてみればそこにいるのはたった一人のマリオでしかありません。マリオ側からみれば無数のマリオを投入しているのに、クッパ側から見るとこんなに手下を投入して、こんなに罠をかけてるのに、マリオは「一度も死ぬことなく」、無傷で自分の前に現れちゃう。マリオはそんな異常に手強くて異常に運の強い、末恐ろしいヤツなのです。

クッパにとっちゃ、もうこれ、無理ゲーじゃないでしょうかね。


■持てる者と、持たざる者。

で、もっとヤバいなーと思うのが、パラレルワールドをコインで買えてしまう、という点です。


なぜなら、これ、コインを持っているヤツがますます強くなり、持っていないヤツがどんどん弱くなるシステムだからです。持てる者と持たざる者の二極分化が徹底していきます。これは行きつくとこまで行きつきます。


そしてどう考えても、このゲームで「持てる者」はマリオです。
この(元?)配管工は、コインにモノを言わせてバンバンパラレルワールドを買いあさります。ちょっと死んでも余裕余裕。コインの力で保険をかけておいた別の世界のマリオにスイッチします。


一方の、持たざる者とは・・・そう、クッパ一味です。
彼らは「一回きりの生」しか体験しえません。
なぜなら、至極単純に、コインを100枚も持っていないからです。おまけに1枚のコインを大事に抱えたクリボーは、マリオに踏んづけられて略奪されてしまうのです。


「無数の生」を手にした「持てる者」マリオと、「一回きりの生」しか体験しえない「持たざる者たち」のクッパ一味。
こういう超不平等な図式で考えると、クッパたちがピーチ姫をさらったのは命がけの反乱だったんじゃないか。そんなふうに思えてきます。


「1の1」でマリオに向って来るクリボーは、その「一回きりの生」を投げ打って、「持てる者」に立ち向かっている。
く、くっ、クリボー!!






あ、あれ? 涙でかすんでクリボーシルベスター・スタローンに見えてきたような・・・!?







まあでも、マリオ、好きですけどね。楽しいですもんね、マンマミーヤ


(えー、ところどころ強引でおまけにペニノとまるで関係のないエントリーでしたが、ちなみに、ペニノの次回新作ははこぶねです。もうちょいお話しできるようになったらちゃんと書きまーす!)

(吉)